在宅訪問管理栄養士の活動紹介
独立して合同会社を設立し、複数医療機関と契約して訪問栄養食事指導や栄養補助食品の購入支援を行っています。
九州・沖縄ブロック吉永 悦子YOSHINAGA Etsuko
合同会社カドル 認定栄養ケア・ステーション カドルきりしま
認定在宅訪問管理栄養士を目指したのは、どのようなきっかけからですか?
鹿児島県の離島の病院で勤務していた時に、退院後の食事がうまくいかず再入院された方がいらっしゃいました。
ミキサー食の作り方の指導をしましたが、自宅にミキサーがなく、当時島には栄養補助食品を取り扱うお店もなかったため、スーパーで売られているプリンとヨーグルトを交互に食べていたそうです。
ひどい低栄養で入院された姿を見て自宅の環境を知らなかったこと、その視点を持って指導しなかった自分の指導力の無さを痛感しました。
入院期間だけでなく在宅での栄養管理を行うことの重要性を強く感じたため、在宅での栄養管理を学びたいと思い認定取得を目指しました。
現在は、どのような活動をされていますか?
令和3年10月に合同会社を設立し独立したため、訪問するためには医療機関との契約が必要です。
現在4つの医療機関と契約を交わし在宅療養者へ訪問を行っております。
最近ではケアマネジャーからの依頼が多く、心疾患や糖尿病などの疾患をベースに、支援するご家族の負担を軽くできるよう、またご本人が安心して食べられる環境を整えることを目標に支援しています。
老老介護の場合、支える家族もまた支援が必要な場合もあるため、訪問時には、本人だけでなく家族の体調面や食事摂取状況について確認するほか、台所や冷蔵庫などの衛生面の改善を図るなど、支援内容は多岐にわたります。
食事摂取量が不足している場合や栄養状態の改善が必要な場合には栄養補助食品を勧めることもありますが、近くにスーパーなどがなくすぐに買いに行けないことや、市販されている栄養補助食品の種類が限られていることから栄養補助食品を取り扱う業者と契約し、購入支援も併せて行っております。
認定資格は、現在の活動にどのように活かされていますか?
訪問栄養食事指導だけでなく、地域住民の食の『困った』に対応できるよう、自費による栄養相談も実施しています。
そのような栄養相談においても、認定で学んだ食の環境を整える視点が支援に活かされていると感じています。
在宅訪問管理栄養士を取得後、研鑽を重ね在宅栄養専門管理栄養士も取得しました。
地域住民や医療、福祉従事者対象の研修会などで話をさせていただく機会も増えており、目標とする地域に根差した「かかりつけ栄養士」として活動も増えてきております。
地域住民の食の課題解決はこれからの健康寿命延伸のためにも早急に取り組むべきだと考えております。
訪問栄養食事指導は管理栄養士であれば指導可能ですが、今まで経験したことがないフィールドで活動することはとても不安が大きいものです。
認定を取得することで私自身も地域へ活動を広げられていると感じています。

これから認定取得にチャレンジする方へ、一言お願いします。
いくつになっても学ぶことはとても大切なことです。
在宅療養者への食支援は今後、栄養士業務の大きな柱になっていくと思われます。
地域での食課題は高齢者ばかりではありません。
ゆりかごから墓場までという言葉がありますが、食支援もさまざまなライフステージに合わせて柔軟に対応できるスキルが必要です。
まずは訪問栄養食事指導の第一歩を踏み出すため認定取得を目指して学びを深めてみてください。