在宅訪問管理栄養士の活動紹介
在宅診療専門クリニックで訪問栄養指導を中心に、小児から高齢者まで幅広い世代の食支援に携わっています。
東海・北陸ブロック石川 明奈ISHIKAWA Akina
総合在宅医療クリニック
認定在宅訪問管理栄養士を目指したのは、どのようなきっかけからですか?
在宅専門クリニックへ入職した際、訪問栄養士としての最初のハードルは「在宅医療の仕組み」を理解することでした。
病院勤務とは異なり、療養者のご自宅へ伺うためのアプローチ方法や、診療報酬算定のルールが分からずにいました。
そのような時、身近に認定資格を持つ同僚がおり、資格取得のプロセスを通じて在宅訪問栄養食事指導の仕組みを体系的に学べると知りました。
実務における不透明さを解消し、確かな根拠を持って在宅療養者を支えたいと思い、認定試験へチャレンジすることにしました。
現在は、どのような活動をされていますか?
現在は在宅診療専門クリニックを拠点に、訪問栄養食事指導を中心に活動しています。
当初は高齢者医療を中心に携わっていましたが、地域の多様なニーズに応えるため、現在は医療型短期入所施設や外来リハビリでの食支援・栄養指導へと活動の幅を広げています。
対象も小児から高齢者まで多岐にわたり、それぞれのライフステージに応じた食支援を実践しています。
例えば小児のケアでは、経管栄養のお子さんであっても、畑での野菜づくりや調理を通して「食にふれる体験」を大切にしています。
また高齢者のケアでは、ご本人の「食べたい」想いに寄り添い、お看取りでと帰ってこられた方であっても、食の楽しみを支援することもあります。
こうした経験を重ねる中で、他職種へ栄養の重要性や食事摂取の工夫を情報発信・共有を行うことも重要な任務だと感じています。
多職種との連携において、支援内容に「栄養の視点」を組み込んでもらえるように情報発信・共有を行い、地域全体の栄養ケアにおけるスキルアップとボトムアップに貢献したいと考えています。
認定資格は、現在の活動にどのように活かされていますか?
資格取得の過程で得た最大の収穫は、在宅活動のルール理解に留まらず、「在宅栄養ケアの本質的な視点」を得られたことです。
以前の病院勤務でも退院後の生活を視野には入れていたつもりですが、実際の在宅現場ではそれ以上の深い洞察が求められます。
症例レポートの作成を通じ、療養者の生活全般や家族背景までを俯瞰して「みる」視点こそが、在宅生活を支える栄養ケアの核であると学びました。
またセカンドステップ研修では、全国の訪問栄養士とのネットワークも得られ、私自身の大きな財産となっています。
予防的ケアから看取り支援まで、各地で独自の強みを活かして活動する仲間から刺激を受け、自身のケアの引き出しを増やすことができています。

これから認定取得にチャレンジする方へ、一言お願いします。
近年の診療報酬改定にみられるように、管理栄養士が地域へと関わる重要性は年々高まっています。
認定資格の取得は、在宅特有の課題に直面した際、的確な解決策を見出すためのベース(引き出し)となると思います。
病院で勤務されている管理栄養士の方には、在宅での栄養ケアの実際を知っていただく近道であり、在宅で活動されている管理栄養士の方にとっては、難病や終末期ケア、あるいは地域の予防ケアなどにおける新たな引き出しが得られる機会となると思います。
認定資格取得を通じて、病院と在宅の垣根を越え、切れ目のない地域栄養ケアを共に実践していきましょう。